入居者・職員・アルバイトで集まり行われた座談会。後編の様子をお届けいたします。
<入居者の方からのお話>
Sさん 自分がここのグループホームに入る前は、大きな施設で暮らしていた。本牧からタクシーで一時間半かかる距離だったけど、作業所や相談支援の人の協力もあって、毎週1回今まで通っていた作業所に行っていた。そんな時に、希望していたグループホームが空いたから、考えてみますか?と誘われました。
(Sさんはもともと本牧から近いところに住んでいましたが、ご家族が体調を崩されてから別の施設に暮らすようになった、という経過があります)
グループホームに入って、大学にボランティア募集のための訪問に行ったり、大学生が自分の生活に密着するということがあったり、初めての体験をしました。
職員1 密着されてみて、どうでしたか?
Sさん 戸惑った。カメラの前で何をしゃべったか、緊張してたからもう覚えてないね。もうやりたくない笑
一同 笑
Cさん すごく自然にお話しされてましたよ。
職員2 Sさんの生活の様子が分かる、とても良い動画でしたね。
Uさん 私はやっぱり入院のことを思い出すかな。数年前に大きな手術をするために一年半入院をしたんだけど、入院すると決まった時に、不安だったね。子供のころから何回も手術はしてきたけど。入院前の準備や診察に、職員はどこまで付き合ってくれるんだろう、ちゃんと関わってくれるのか。大丈夫かな、と心配だった。でも、先生から手術の話を聞くのも付き添ってくれて、入院中も何度もお見舞いに来てくれた。長い入院生活で「早くグループホームに帰りたいなあ」と思ってたね。帰ってきても今度は、長い時間座っていることができなくて横になって過ごす時間が長かったりして、いろいろ大変だったけどね。
職員3 あれから何年かたって、Uさんも頑張ったおかげで体も回復してすごく元気になりましたね。
職員1 Sさん、Uさんは、援助者に対する不満とか、こうしてほしいとか、ないですか?せっかくの機会なので遠慮なくどうぞ
Sさん ない
Uさん ない
職員1 ない。ほんとに?
Uさん じゃあ、強いて言うなら、今日こんなことがあったよ、って話したいときでも、なんか今日は忙しそうだからやめようかな、今度にしようかな、と思うときはあるよね。
職員一同 あぁ…
職員2 そんなつもりはなくてもそういう顔になってることは多分ある…
職員1 気を遣わずに話してくれていいんですよ?
職員3 話しやすい雰囲気を作るのは大事だよね。気を付けますね。
最後に
SさんからCさんに 「もし、俺がここ(かたつむりの家)に住んでなかったら、アルバイトで来てた?」という、ちょっとドキッとする鋭い質問が
Cさん 来ていないと思います。Sさんと知り合いになって、SさんのことやSさんが住んでいるグループホームのことをもっと知りたいと思ったから、こうして続けていると思います。
まとめ
グループホームは、入居者の方の家であり、障害ある方が自分の希望する暮らしを続けながら、人とつながれる場所でもあります。自分一人では難しいところを手伝ってもらう、言葉では「支援」という一方向に見えてしまうけれど、様々な立場の方が、その生活にふれ、障害ある方の思いやその方の生き方、力、から、たくさんのこと学んだり受け取っていると思います。お付き合いを続けていく中で、双方向な関係が築かれていくのかもしれません。
ぜひ、みなさんも、障害ある方の暮らしにかかわってみませんか。
今回も、アルバイト、入居者の方それぞれから貴重な話を伺い、話がはずんだひと時でした。